やっぱりあい(す)がなくっちゃね

☆ハト×大将☆

「おらよ、ハト」
真夏の陽射しが照りつける公園の、花壇の柵に凭れて佇む鳩村に、山県がソフトクリームを突き出した。少し離れた場所には陽炎が揺らめいている。
「お、サ〜ンキュ」
「ったく、こう暑くっちゃやってらんねぇよな」
ぶつぶつ言いながら、早速自分の分のソフトクリームに口をつける山県を見るともなしに見ながら、鳩村も自分の分を口元に運んだ。
山県の唇がクリームの先端をぱくりと豪快に呑み込む。唇についた白いクリームを、唇からちらりと覗いた舌が舐めとっていく。ひどく健全なはずのその光景が、妙に淫靡に映り、鳩村はどきりとした。クリームを掬い取る、独立した生き物のような柔らかな舌の動きに目を奪われる。外気の暑さよりも熱を持ち始めた身体の芯を冷ますように、鳩村はソフトクリームを口にした。
そんな鳩村の様子には全く気づかない山県は、無心にソフトクリームを舐め尽し、ぱりぱりと音を立ててコーンまで綺麗に食べてしまった。
それを見た鳩村は速攻でソフトを食べ終えると、山県の腕を掴んだ。
「なんだよ、どうしたんだよ」
「まーまーまー」
いきなりの鳩村の行動に驚く山県を、鳩村は、半ば無理やり引き摺るようにトイレに連れ込んだ。
「ちょ、おい、ハトってばよ!」
なおももがく山県を狭い個室に押し込めると、しっかりと鍵をかける。
「おまえ、ハトッ!ナニ考えてんだよっ」
その後、山県の絹を裂くような悲鳴が公園中に響・・・かなかった。(何故かは自分で考えてね♪)

[END]
[Story] [タツとリキ] [リュウとリキ]