#1 復讐のバラード
警視庁に、捜査一課とは別に「殺人課」が創設される。殺人課の制式拳銃として、ニューナンブM58を改造した45口径の改造拳銃が試作される。試作品を預かり運搬中の「秀才」こと虎間一平(三田村邦彦)は、警備員を装った男に催眠スプレーを浴びせられ、3丁の改造拳銃を奪われてしまう。
N.Y.市警勤務10年の「ミスター」こと五代尭警部(菅原文太)以下、殺人課の面々が招集される。
責任を感じた秀才は、病院を抜け出しモンタージュを作成する。奪われた拳銃による次なる犠牲を懸念した捜査一課長(梅宮辰夫)は、捜査の主導権を主張するが、刑事部長田丸隆一郎(鶴田浩二)により、殺人課が必要か否かの試金石として、捜査は殺人課に委ねられる。
モンタージュが出来上がった頃、都内のサラ金業者が3人のガードマンに襲撃され、社長が射殺、2千万円が奪われる。犯人の一人が拳銃強奪犯であること、鑑識の結果、犯行に使われた拳銃が奪われた拳銃であることが判明する。ミスターは、犯人たちがアシのつきやすい殺人課の拳銃を使っていることから、事件を殺人課への挑戦ではないかと推測する。
モンタージュから、警備会社に勤めていた“田中一郎”なる男(石橋蓮ニ)が浮かぶ。その男の保証人は、整備工場の社長、関口エイイチ(千葉真一)であったが、関口は警視庁に勤めていたミスターの後輩であった。関口は、五代の妹可奈子に、「ボーナスが出たらギターを買ってやる」と約束していたことを覚えていた。
改造拳銃を試作した会社の総務部長の野田が2千万の遣いこみをしていたことが判明し、秀才、「ウルフ」こと久保剛、「チャンス」こと村木譲(関根大学)が張り込みを開始した。電話で呼び出された野田は、地下駐車場で、2千万の謝礼を受け取ったところを取り押さえられ、“田中一郎”の所在を吐く。
“田中”を発見し追跡すると、“田中”はガードマンの制服に着替え、2人のガードマン姿の男と合流する。3人は、サンエイ興業の社長室に入り、社長を射殺する。その一人は、関口エイイチであったが、出遅れた殺人課の面々は3人を取り逃がしてしまう。
“田中”が着替えを入れたロッカー付近で張っていた秀才は、“田中”を射殺。ところが、“田中一郎”は、本籍地に健在し、モンタージュとは別人であることが判明する。
ミスターは、関口を本庁に呼び出し、射殺された“田中一郎”の遺体を見せる。関口は、遺体を“田中一郎”と認める。“田中”が別人であることを問い質すミスター。しかし関口は何も語らない。「エンジェル」こと眉村冴子(一色彩子)は、“田中”の恋人に成りすまし、“田中”の遺体を引き取ってみせる。死んだ“田中”は関口の次弟、ケンジであった。
兄の死を知った末弟(大庭健二)は、遺骨を抱いたエンジェルの元へ遺骨を分けてもらいにくる。これにより、犯行は関口兄弟によるものであることが判明する。関口兄弟には、父の敵を取るという動機があった。父の敵は、射殺されたサラ金会社社長、サンエイ興業社長、代議士安谷であった。
ミスターは、関口を訪ね出頭を求めるが、銃を向ける関口を逃してしまい、兄を助けようとした弟を射殺する。
パーティーに出かけようとした安谷を射殺した関口を、ミスターは一人で追跡する。川崎球場に逃げ込んだ関口は、追いかけてきたミスターに銃口を向ける。撃ち合った2人だが、関口は弾をわざと外し、ミスターの弾によって射殺される。関口は、初めから殺人課の銃を使えばミスターが出てくることを見越し、彼に殺されるために待っていたのだった。
後日、可奈子の元に関口からギターが贈られてきた・・・。

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